Dr.NAKAJIMA's Biography
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1964年 千葉県で生まれる。母は小児科の看護師長。初めて読んだ野口英世の伝記に感銘を受け、医師 · 研究者を志す。
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1978年 鹿児島県の祖父母のもとに転居。祖父は HTLV-1 というウイルスの感染によって起こる白血病と関節炎を併発。祖母はリウマチだった。
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1983年 大学受験 3 か月前から「死ぬ気」で勉強し、鹿児島大医学部に見事合格。祖父母が苦しむ病気をなんとかしたいという思いから、園田俊郎先生のウイルス学教室で実験漬けの毎日。
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1989年 鹿児島大学医学部卒業。医師国家試験前日まで生活費を稼ぐためにアルバイトに励む。試験は無事合格。鹿児島大学医学部付属病院入局。祖父が死去。初めての死亡診断書を書く。鹿児島大学医学部付属病院第三内科で研修医。 HTLV-1の感染によって起こる白血病、ATL ( 成人T 細胞白血病 )などの臨床をしながら、HTLV-1ウイルスの研究に携わる。
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1990年 研修医 2 年目。丸山征郎先生、西岡久寿樹先生指導のもと、 HTLV-1 とリウマチとの関連について、初めてとなる論文を発表。
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1991年 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 助手。リウマチ、線維筋痛症など難治性疾患の研究・臨床の世界的権威である西岡久寿樹先生に師事。
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1993年 鹿児島大学医学部文部教官就任。
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1994年 米国ソーク大学へ留学。最先端生物医学系研究所として名高いソーク研究所に研究の場を移す。
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1995年 第 8 回日本内科学会 奨励賞受賞。祖母が死去。
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1997年 鹿児島大学において博士( 医学)取得。ハーバード大学医学部教官就任。真核細胞の遺伝子発現システムを説明する「転写統合装置」という概念を提唱。セル誌やネイチャー誌に掲載される。
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2000年 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 助教授就任。
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2001年 日本医師会医学研究助成金 受賞。滑膜細胞に存在する新規遺伝子「シノビオリン」を発見。この遺伝子を滑膜細胞 (Synovial cell) にちなんでシノビオリン(Synoviolin) と命名。
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2002年 日本リウマチ学会学会賞 受賞。
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2004年 聖マリアンナ医科大学教授就任。シノビオリン活性阻害剤を発見。
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2005年 ノバルティス・リウマチ医学賞 受賞。「愛・地球博」にて故宇田一夫氏より、キルギス共和国で子供たちが原因不明の病気に苦しんで いるのを救ってほしいと依頼される。
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2006年 医師団を結成しキルギス共和国を第一次訪問。原因不明とされていた病気はリウマチ熱であることが判明。キルギスの若手医師を日本に招いて治療法や予防法を伝える一方、有志を集めて寄付
For children in Kyrgyzstan 〜キルギスの子供たちのために〜
2006年、中央アジアに位置する旧ソビエト連邦の国家、キルギス共和国を初めて訪れた中島利博博士(医学)は、先進国ではすでに過去のものとなっているリウマチ性疾患の1 つであるリウマチ熱が、キルギスを始めとする中央アジアで未だ猛威を振るっていることを発見しました。
以来、中島利博博士(医学)はキルギス全土を駆け巡り、50カ所を超える病院を訪れて、子供たちに 蔓延するリウマチ熱※と その後遺症であるリウマチ性心疾患を調査し、治療と予防の指導を続けました。
そして中島利博博士(医学)は、ペレストロイカ以前の機器しかない劣悪な環境にあったキルギスの病院に高精度検査機器を導入し、また現地の医師に対して診断や治療の方法を直接指導したり、それまでキルギスには存在しなかった母子手帳を作成してキルギスのお母さんたちに配布したりと、保健に関するあらゆる方面からの自立支援に全力を尽くしました。
2015 年 10月には、キルギス国立心臓病センターに「キルギス日本研究センター」も開設され、中島利博博士(医学)とセンターの医師、日本の各分野の専門家が共同で研究を行う拠点ができました。これにより、リウマチ熱とその後遺症の克服への取り組みがより一層加速することが期待されます。中島利博博士(医学)は、今後もリウマチ熱が完全に撲滅できるその日まで、キルギスの保健システム強化のための活動を続けていくことでしょう。
中島利博博士(医学)は、これらの功績を評価され、キルギスの発展に多大な貢献をした者に贈られる「特別栄誉賞」を日本人として初めて受 賞しました。
さらに 2008年には、キルギス共和国の医療分野に関する国家顧問に、また 2015年には名誉領事に任命されました。
また、線維筋痛症は、最近注目を集めている疾患の一つです。なぜこの病気が起こるのか、 またどのような治療を行えば根本的に病気を治すことができるのか、今の段階では全く明らかになっていません。
そのため国内外の研究者により、病気の原因の解明や、有効な治療法の開発が探索的に行われています。
わが国では、厚生労働省研究班が中心となって研究を進めており、基礎研究および臨床研究により診断、治療、患者ケアなどに対する一定の方向性が見出されてきています。
また、診療ネットワーク参加施設も増加しており、よう やく本格的な治療や原因解明への研究の下地ができたと言えるでしょう。
中島利博博士(医学)は現在、リウマチ研究で培ってきた研究のノウハウを武器に、新たな疾患「線維筋痛症」に挑んでいます。わが国の線維筋痛症研究の中心である線維筋痛症学会の副理事長も務め、研究の推進に尽力しています。