「シノビオリン」という遺伝子は、
「基礎研究」の第一人者であり、キルギス共和国国家顧問・名誉領事、
元ハーバード大学医学部教官である中島利博博士(医学)によって、
関節リウマチの原因遺伝子として2001年に発見・命名されました。
関節リウマチとは、骨格の関節部に腫れや痛み・変形が生じる病気です。
関節リウマチは一度発症すると、指などが変形したり、
生涯、激痛に苦しむ不治の病として、昔から恐れられてきました。
実は、中島博士の祖父が関節炎、祖母が関節リウマチ患者でした。
祖母は特にひどく、リウマチで関節の激痛に苦しみ、さらに指が変形していました。
その2人の様子を間近で見続け、
「自分にできることはないか?」と悩み続ける幼少期でした。
そして、大人になった中島博士は医学の道を志し、
リウマチの研究に取り組むようになりました。
謎が多いリウマチですが、自己免疫疾患の一つであることは以前から分かっていました。
自己免疫性疾患には関節リウマチの他に、
バセドウ病、1型糖尿病、血管炎などがあります。
自己免疫疾患とは、本来ならウイルスや細菌などを退治してくれるのですが、
免疫が敵と間違えて攻撃してしまうこともあるのです。
関節リウマチの場合は、主に「サイトカイン」が暴走の主役になってしまいます。
「サイトカイン」とは、簡単に言うと情報伝達物質の「情報伝達屋さん」であり、
たんぱく質でできています。
通常、サイトカインは免疫を治してくれるのですが、
増えすぎてしまうと、逆に炎症を進めてしまいます。
そして、リウマチが発症すると、この滑膜が炎症。
炎症が蔓延化すると、滑膜が腫れて軟骨を覆うようになります。
この時、滑膜から大量のサイトカインが分泌され、さらに炎症が激しくなります。
これこそ、関節リウマチがもたらす激痛や変形の原因です。
その後、中島博士の弛まぬ(たゆまぬ)研究の結果、
関節リウマチには「シノビオリン」という遺伝子が
深く関係していることが分かったのです。
中島利博医学博士によって見出された、
この「シノビオリン遺伝子」の働きを抑えることで、
関節リウマチの痛みの原因でもある炎症や、指などの変形の進行を抑えたり、
改善につながることが正式に判明しました。
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